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真珠の美しさと尊さを守る”パールソーブ”のことをご存知ですか?
湿気と乾燥が交互に訪れる日本!
日本にくる外国人は、なんと「湿気手当」がでることもあるそうです。そのくらい日本の湿気は耐え難いのでしょうね。
確かに梅雨時の不愉快さは私たちが経験することですね。
一方、この多湿と反対少湿、すなわち乾燥はどうでしょうか。真冬の、着替え時の下着がパチパチと音をたてて静電気を放つ様子は、誰でも好きではないでしょう。
日本の気候を、四季を通して考えると、この湿気と「乾燥が交互に訪れるのですね。
アートソーブが乾燥と湿気から美術品を守ってくれる
横浜美術館の展示ケースの隅にアートソープが山積みしてあったそうです。開発メーカーさんの営業努力ですね。
アートソーブとは、美術品の湿度調整剤のことです。これらの巨匠たちの作品、それは私たち日本人にとってかけがえのない財産であり、永久に保存しなければならないものですが、何しろ神や布地に描かれた絵ですし、湿気や乾燥にとても弱いですね。これもわたしたちが日常生活で経験していることです。
何十年、何百年もこれらの脆弱なものを保存していくためにはどうしたらよいでしょうか。そのためには、脆弱さそのものを分析しなければなりません。
湿気は二つの点で問題があります
ひとつは、結露、すなわち材質の表面に梅雨を作り、材質の成分を溶かしてしまうということです。
もうひとつは、膨潤が考えられます。湿気を吸ってふやけることです。乾燥にも当然問題があります。乾燥すれば材質中の水分が散失し、材質は収縮すなわち干からびます。
一年を通じ、干からびたり、膨れたりするのですね。それを何十年もつづけると、ひびが入り、亀裂ができ、結局ボロボロになります。
これを防ぐためには、これらの美術品が展示中かどうかにかかわらず、いつでもまわりの湿度が一定に保たれるような工夫が必要です。それがアートソーブです。シリカゲルに特別な処理をして、まわりが湿気てくれば空気中の水分を吸い、乾燥してくれば空気中に水分をだす、そんな役目をしています。
パールソーブの誕生
アートソーブをヒントに真珠の保存の研究がはじまりました。真珠も個人が所有する一種の文化材ですね。
数年後、実用化に成功しました。真珠の美しさ、その尊さとは美術品に匹敵すると思うがゆえに、その商品名をパールソープと名づけられました。
参考文献: 日本の真珠がいちばん美しい