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真珠は自然が生みだした宝石!! 自然に真珠ができる仕組みを解説します。
天然真珠とは自然にできた真珠のこと。自然界の自然な流れで美しく輝く真珠が生み出されていることを想像すると神秘的なものを感じるかと思います。真珠は自然に生み出される奇跡による産物です。真珠ができる仕組みについて知れば、真珠から感じられる神秘をより大きく感じ取ることができるでしょう。自然に真珠ができる仕組みについて解説していきます。
真珠の輝きは真珠層によるもの
貝の内部で銀白色やグレー、そして角度によってはピンクやオレンジ、緑に光り輝く光沢を真珠層と言います。真珠層を持つ貝のことを《真珠貝》と言い、代表的な貝はアコヤ貝やアワビなど。真珠層は93%の炭酸カルシウムと4%のたんぱく質を主成分として形成されており、それらが交互に重なり層を作っています。
真珠は外套膜の中で生成される
貝の身は外套膜に覆われており、外套膜の外側の細胞を外側上皮細胞と言います。外側上皮細胞が何かの拍子に破れ、それが外套膜の中に入ると真珠ができる可能性があります。外側上皮細胞には真珠質を分泌する機能があり、その際にいくつかの《奇跡的な偶然》が起こると真珠ができます。できあがった真珠が美しい光沢をもっているのは真珠質が真珠層と同質であるため。外側上皮細胞が破れることが真珠生成のカギを握っています。
均整のとれた真珠は袋状になった外側上皮細胞から作られる
外套膜の中に入った外側上皮細胞が袋状になることがあります。それが《奇跡的な偶然》です。袋状になった外側上皮細胞はその内部に真珠を作ります。外側上皮細胞が破れて外套膜の内部に入ったとしても、それが袋状にならなければいびつな形の真珠になります。美しく均整のとれた球体の真珠は、外側上皮細胞が偶然袋状になった結果の産物です。美しく神秘的に輝く真珠は自然が生み出した宝石。そこにはいくつもの奇跡が折り重なっています。
参照
真珠の世界史 富と野望の五千年(山田篤美著/中央公論新社)