FAQ
よくあるご質問
Q.本物の真珠とイミテーションパール(模造真珠)の見分け方ってあるのですか?
大昔より、貴重な宝飾品として重用されてきた真珠ですが、技術の発展とともに様々な素材の模造品が開発され流通しています。
まず第一に、ここでいう本物というものを一言で定義しますと、「自然界から採取されるもの」ということになります。
具体的には、
・天然真珠
人間がまったく手を加えずに、様々な貝から偶然の産物として生成し採取される真珠です。代表的なものにカリブ海に生息するピンク貝から採れるコンクパールや、カリフォルニア沖で採取されるアバロンパールというものがあります。天然真珠はその希少性の高さから、古代より宝物として重用され、近代においてもヨーロッパを中心としたアンティークジュエリーに使用されるなど、現在でも大変高額なものとして流通されています。
・養殖真珠
今一般に流通している真珠のほとんどがこの養殖真珠に分類されます。具体的には、アコヤ真珠、黒蝶真珠、白蝶真珠、淡水真珠、マベ真珠などが挙げられます。(銀座ワタツミでは主にここに分類される真珠をお取り扱いしております。)
余談ですが、日本を代表する世界的真珠ブランド、ミキモトの創業者である御木本幸吉らが真珠の養殖技術を確立し世界中へと広めたアコヤ真珠ですが、当初は養殖自体を鑑別する方法が開発されていなかったことから、ヨーロッパでは養殖真珠もフェイクとして鑑別されていました。その後、養殖であっても天然真珠とその組成はまったく同じであることから本物の真珠として認められ今日に至っています。
また真珠の養殖において日本人の果たした役割は極めて大きく、今日の真珠産業自体が日本人の力なくしては成り立っていなかったであろうことは想像に難くありません。
今日の宝飾界の定義では、ここまでをいわゆる「本物の真珠」と定義しています。
では、模造品にはどういうものがあるでしょうか。
具体的には、アクリルやプラスチックの類で作ったものや、ガラスで作ったもの、本物の真珠同様に貝を素材としてつくった貝パールなど、また近年ではコットンを圧縮してつくったもの(コットンパール)など様々なものがあります。ガラス製のイミテーションの代表としては、スペインのマジョルカ島で製造されるマジョリカパールがありますが、こちらは本物の真珠さながらの金額で販売されています。
また貝パールも古くから製造されてきたこともあり、一部地域では工芸品として高額で販売されていることもあります。
さて、本題の見分け方ですが、あまりパールに触れる経験のない方ですと実際のところ、見ただけでは真贋の見分けがつきにくいことも多いかと思います。精巧なものはプロでもちょっと見ただけでは見分けがつかないケースもあり、場合によっては鑑別機関で専用の機器や特別な装置で鑑別が必要となるケースもあります。
そういわれると、普通の人にはお手上げ・・・
そうお嘆きのあなたのために、今回は一番簡単な判別方法をお教えします。
その方法とは、
「珠と珠をこすり合わせてみる」ことです。
貝から生まれ真珠層を持つ真珠(ここでいうところの本物の真珠)であれば、すこしザラザラというかコリコリした感触が手に伝わってきます。これは真珠層が目に見えない非常に細かなレベルで凹凸をもつことに起因します。 コリコリせずに、つるっと滑ってしまうものはなんらかの異素材が用いられていると考えられます。
どうです?すごく簡単な方法だと思いますので、お持ちの真珠にもし自信がないようであれば一度試してみてください。
最後になりますが、イミテーションがそれそのものとしてけして悪いというわけではありません。イミテーションを本物と偽って販売することは悪ですが、イミテーションのリーズナブルさ、気軽さなどから、ファッションアイテムとして考えるときに、女性の日常を豊かにするものとしてなくてはならないものになっているとも言えると思います。
ココ・シャネルは天然真珠とイミテーションをうまく組み合わせ、宝飾の歴史を変えるほどのコーディネイト術を編み出しました。(参照:シャネルと真珠と関係はこちら)
あなたも、想像力の翼を羽ばたかせて真珠のもつ魅力をもっと自由に楽しんでみてください。