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真珠選別家の仕事
自分の目を信じてその一粒を ‐真珠選別家の仕事
「人の目が決める厳格なグレードの存在する世界」
特選、天女、オーロラ花珠、花珠、真珠はそのテリ、巻き、傷、形、地色毎に人の目で厳格に品質を選別される。
テリは真珠の光沢のこと。
素晴らしい光沢には、真珠の表面と内面両方の状態が大切になる。
表面で反射するつやのことを表面光沢いう。そして内面の真珠層の厚さや均一さ、光の透過性による内部の反射を内面光沢という。この二つの光沢が相まってテリは生まれる。
巻きは真珠の命。
巻きとは真珠層の厚さであり、真珠の価値を決める最も大切な要素といっても過言ではない。巻きはその厚さや具合によって真珠のテリや色を支配し、様々な表情の真珠をつくる。
だからこそ、良質な真珠養殖家はこの巻きにこだわる。
地色
色は光であり、真珠の色はテリ、表面と内面の光沢に大きく依存する。
アコヤ本真珠では、真白や淡いピンク等、微妙であるからこそ品を感じさせる色合いが人々を魅了する。
形
真珠の形は真円だけでなく、ティアドロップ、バロックと様々あり、それぞれに魅力を持つ。
これら真珠の魅力、そして傷などのマイナスな点を総合し、価値づけが行われるのが真珠の世界である。
「一つとして同じでない個性」
それを一粒ずつ見極めていくのが選別家の仕事である。
選別には、用途別の選別と品質別の選別がある。
用途別選別とは、真珠をネックレス、リング、イヤリング等のジュエリー毎に選別することである。
これは浜揚げされて直ぐに行われ、洗浄された真珠は0.5㎜単位で大きさ別に分けられる。その後、さらに形、キズ、巻き、色、テリの各要素をひとつずつ見て判断して選別される。
品質別選別とは、例えばネックレス用に分けられた真珠の中から、特選、天女、オーロラ花珠、花珠のようなグレードを分けることである。
真珠は微妙な色合いが混じり合って独特のテリを産み出す。それは見る場所、時間帯によって変化するほど繊細な輝きだ。
選別家は、天気の変化、太陽光の光量に影響されず、常に同じものを見る目を待たなければいけない。選別の基礎を学ぶだけで三年、何十年というキャリアの者でも極めきることは難しいといわれる奥の深い世界がそこには広がる。
「人間の目で」
真珠を選別する基準は最終的には人間の目に依って立つ。
だからこそ選別家には大きな責任とプレッシャーがのしかかる。
ここまで多くの人々の手により育てられた真珠の価値を決める重要な仕事、ここからジュエリーとして世界に飛び立っていく真珠の価値を担保する大切な仕事が選別である。
真珠選別家は言う、「真珠の価値を護るために、自分の目を信じて」